イベントフライヤーの世界観
僕がデザイナーになろうと思ったのは、25年くらい前、ライブハウスやクラブで目にしてた“イベントフライヤー”がきっかけでした。フライヤーとは、イベントを告知するための小さなチラシのことを指します。告知と言っても載ってる情報は必要最小限で、場所と時間とチケット代、アーティスト名くらいのもの。フライヤーの役割は、情報伝達というよりイベントに合った“世界観”を紙面の中で表現することでした。
デザインの持つ力
イベントによって、フライヤーで表現されてる世界観はそれぞれ。どれも部屋に飾りたくなるようなオシャレなものばかりでした。当時はインターネットがそれほど普及してなかったので、イベントの存在を知る手がかりはフライヤーのみ。いま考えると「よくもあんな曖昧な情報で人を集めることができてたな」と思います。でも、それくらい当時のフライヤーデザインには惹きつける何かがありました。
そんなテレパシーみたいな力を持つ“デザイン”という行為に憧れ、僕はこの世界に飛び込みました。それからかなり時間が経ちますが、いまもまだ同じ気持ちでやれてます。これからも、当時の“フライヤー”に負けないような、人を惹きつけるデザインをつくっていきたいと思ってます。