“拒否反応”が出ることの意味
日常生活の中で、いろんな出来事や言葉に対して「嫌だな」「納得できない」と感じる瞬間があります。こういった気持ちは一見ネガティブに見えるので「そんな風に考えるのはよくない」「ポジティブでいるべきだ」と、気持ちを抑えて込んでしまうことがあるかもしれません。でも、こうした感情には自分自身を知るための大切なヒントが隠れています。
嫌だ、納得できないと感じるのは、何かに対しての自然な拒否反応です。誰かの行動や言葉に違和感を覚えたり、状況に対して心地悪さを感じたり。このような感情が湧くときは、自分の価値観や大切にしたい考え方が、無意識に現れている証拠でもあります。だからこそ、自分の拒否反応に耳を傾け、その理由を探ることは、自分を深く理解するきっかけになると感じています。
善も悪もない
ネガティブな気持ちを感じたときに、「これは悪い考えだ」「こんなことを思うべきじゃない」と感じてしまいがちです。でも実際には自分の中に「善悪」というはっきりとした区分はありません。どんな考えも、どんな気持ちも、それが湧いてきた以上は自分の一部です。
ネガティブな感情や考えが浮かんできたとき、それを抑え込んだり、否定しようとするのではなく、まずは「自分の中から出てきたものなんだ」と受け入れること。考えや感情を否定せず、「そういう気持ちが自分にあるんだな」と認めることで、自分との対話が始まります。
“あり方”を知る手がかりに
嫌だ、納得できないと思う感情は、自分が「どうありたいか」を見つける手がかりにもなります。例えば、人に対して「冷たい態度を取られるのは嫌だ」と感じたなら、自分は「思いやりのある人でいたい」という思いがあるのかもしれません。また、「押しつけられるのが苦手」なら、「自由でいたい」と願っているのかもしれません。
このように、自分の中の「嫌だ」という気持ちを丁寧に見つめていくことで、自分が本当はどんな人間でいたいのか、どんな価値観を大切にしたいのかが少しずつ見えてきます。感じたままの気持ちを大切にし、それを自分自身を理解するためのヒントに変えていく。そうるすことで、より自分らしく生きる道が見えてくると感じています。