目に見えない力に頼る風習
僕たちが住む日本には、普段はあまり表に出さないけど「目に見えないものを受け入れる文化」が根づいています。例えば、朝の情報番組では必ずと言っていいほど占いコーナーがありますし、新聞や雑誌にも星占いや運勢が載っています。年の初めには初詣に行く習慣もあるし、日常の中で「目に見えない力」に頼ろうとする機会は意外と多いものです。
こういった風習は、もしかすると多くの人が「漠然とした不安」を抱えているからなのかもしれません。僕自身も、不安なときには何かにすがりたくなります。「こうすれば大丈夫」という答えを探し求めて、色んな情報を漁ってた時期もありました。特にビジネスで自分が舵をとる立場になると、いつも不安と隣り合わせになり、どうしても「確かな答え」が欲しくなるものです。
“こうすればうまくいく”の不確かさ
不安な気持ちでいっぱいの時、目に見えるものであっても、そうでなくても「この方法でうまくいく」という言葉を、そのまま信じてしまいそうになります。確かに「こうすればうまくいく」という理論やアドバイスには一理ありますが、“こうすれば”の部分を頭で理解し、その通りにやってうまくいった試しがありません。
むしろ「こうしなければならない」「この通りにしないとうまくいかない」という考えに縛られ、かえって苦しくなることが多かったです。その結果、また新しい情報を探し始め、違う方法を試す。でもそれでもうまくいかず、また別の情報を求める…そんな「負のループ」に陥ることもありました。
身体の感覚に従うことの効果
では、どうすればこの負のループから抜け出せるのか?僕がたどり着いた答えは、目には見えない「身体の感覚に従うこと」でした。例えば心の中がザワザワしたり、身体がムズムズと違和感を感じるとき。その選択肢は自分にとってベストではないことが多いです。気持ちや身体が落ち着く選択をするといった「身体の感覚」に従うと、不思議とものごとがスムーズに進み、気持ちも身体も元気でいられる気がします。
僕自身、身体の感覚を信じるようになってから、周りの人から「元気をもらえる」と言われることが増えました。自分にとって何が最適かは、自分の中にしか答えがない。そして、その答えに従っていると、自分だけでなく、周りの人にも良い影響を与えることができると実感しています。目に見えないものを信じるのに、頭であれこれ考えるのではなく、身体が感じる「直感」に従うことが、僕にとって一番信頼できる選択だと感じています。